収支を考えない住宅計画
ハウジングプア
昨年来の景気悪化で雇用問題と同時にもう1つの問題が表面化しました。それは、「ハウジングプア(住まいの貧困)」という問題です。2008年の大晦日は家で年を越すことができない人が街にあふれ、「年越し派遣村」という場所まで各地で生まれました(皆さんの記憶にも新しいと思います)。今まで表面化しませんでしたが、戦後日本には十分な数の住宅は供給されましたが、いざというときの住まいを保障する社会システムは整備されていなかったのです。


住居を取り巻くもう1つ大きな問題が住宅ローン滞納者の急増です。実は、住宅金融支援機構で住宅ローンを借りた人の6ヶ月以上滞納に関するデータは、1995年には約15,000件、総額2,000億円程度でしたが、2005年には件数にして約45,000件、総額6,500億円とこの10年で3倍増となっています。滞納が続き、ローン返済を諦め、住宅を手放してしまった人も数多くいます。
想像以上の景気の減速によるボーナスのカットや企業の倒産など、購入する時点ではまったく予測も
できなかったこともあるでしょうが、実は、我々は自分自身でもっと慎重に住宅購入後の収支計画を考えておく
必要があります。
収支計画
収支計画とは、単なるローンの返済表ではありません。ローンの返済表とは、30年、もしくは35年間、毎月これだけの金額を支払うことになりますよ、ということが書いてあるに過ぎません。自分の一家では何年後に教育費がピークを迎え、住宅ローンの完済時期は年金収入の時代にまでまたがっていないか、はたまた金利が想定以上に上がった場合でも問題なく返済できるか、など、自分のライフプランと照らし合わせて本当にその金額を返済していくことができるのか、ということを考えなければなりません。


このことをしっかり教えてくれる先があればいいのですが・・・。残念ながら、建築会社はどうしても大きくて立派な建物を建ててあげたいと思うし、金融機関は年収と勤務先を見て、可能な限り借りてもらいたいなと思ってしまいます。つまり、買う人の人生計画まで見て購入計画や返済計画をたててくれないこともあります(ほとんどの会社がそうという話しを聞いたこともあります)。
同じ金額の家を買う場合でも住宅ローンの借り方と返し方をうまくするだけで数百万円もトクするケースもあります。収支が厳しい時期の支払いを減らす方法もあります。そして何より、買う方の人生計画全体を見て家にはどのくらいのお金をかけるべきか、購入するタイミングはどのあたりにするべきか、ということを考えることが必要です。正直合同会社では、買う・買わないの前にお客様がどんな生活を望んでいるのか?子どもの教育計画は?・・・まだまだその他色々ありますが、何よりお客様の人生計画を一番大事にし、人生計画全体を一緒に考えることからはじめます。